指先の運動と育脳について
乳幼児期のお子さまの遊びには、指先を使った遊びが比較的多くみられますね。
その中の指先を使った遊びについてお話をしていきたいと思います。
【指先の運動】
指先の運動に関連する脳部位は、知的活動の中枢、前頭前野の発達に発達します。
筋肉に直接命令を送る運動野、運動のプランニングをする前運動野、左右の運動を別々に管理する補足運動野、同時に、その運動を把握する体性感覚野、それから記憶や情報を一時的に保持し使っていく活動にかかわる前頭前野が発達していきます。
そのため、指先のトレーニングが知的活動を鍛えることにつながっていくわけです。
同じように、脳機能に難が出た高齢者の方々やリハビリ場面では、指先の運動や大きな筋肉の運動による運動関連野、体性感覚関連野からの刺激が、知的活動や脳全体の活性化につながり、重要と考えられています。
トレーニングと聞くと難しそうに聞こえますが、生活の中での何気ない動き一つをとっても指先を使った運動になることもあります。
例えば「スプーンを使って食事を行う」ということも十分に指先を使った運動になります。
幼児期の脳活動を調べると、いわゆる頭を使う課題でも、前頭前野(頭を使うことに主にかかわる部分)の活動はあまり活性化しません。
一方で、指を含めて体を動かすことにかかわる運動野と呼ばれる部分や、そのプランニングにかかわる前運動野が活性化します。
例えて言うならば、計算を覚えるのに、まずは指折り数えるところから始め、徐々に指を使わなくても、頭で計算できるようになるようなものです。
つまり、幼児の頭脳を鍛えたければ、まずは指のコントロール。
たとえば迷路を指で追う、文字をなぞる、箸を使う、鉛筆を使う、砂場で遊ぶ、積み木をする、折り紙をするなどが重要で、その体験が知的活動を支えるのです。
サンライズキッズでは、日々の生活を送る中で、指先遊びを取り入れていくことはもちろんですが、食事や着替えなど子どもたちに身近な生活行動の中で指先を意識した動きなどを取り入れていけるように工夫をして過ごしています。
【どんな遊びが指先にいいの?】
実際どの様な遊びが指先の運動につながっていくのかをお子さんの年齢別にご紹介していきたいと思います。
《生後間もなく》
生後間もなくは手に親指を持っていくと、反射的に握り返します。これを把握反射と言います。
この把握反射を使って、握って離して、を繰り返し、握る練習を行っていきます。
《生後数か月から》
お子さんがつまむという行動がとれるようになったら、積み木などを行っていきます。
積み木を積んだり並べて形を作ったりして、指先を動かしながら脳への刺激を与えていきます。
《1歳ごろから》
型はめ等を取り入れていきます。指先で物をつかみながら考えてはめ入れるという行動をとっていくことで、脳への刺激が与えられます。
《1歳児以降》
簡単なパズル(6~9ピース)などを行っていきます。
見本や絵柄を見ながら想像してはめていくことで想像力や発想の部分が刺激されていき、脳の発達が促されていきます。
サンライズキッズでは月齢や発達に合った形で遊びを提供し、保育者一人一人が指先の運動につながっていくことをしっかりと意識して日々保育を行っています。
このように指先の遊びや運動一つとっても色々なものがあり、それがお子さん一人一人の成長につながっています。
サンライズキッズでは、今後も一人一人の成長に合った形で遊びや運動を取り入れて楽しく成長を見守っていきたいと思っています。