サンライズキッズ保育園は毎年12月に発表会を行っています。
ダンス・歌・劇などたくさんの演目があります。
今日は育脳の観点から発表会のダンス・歌(音楽)・劇のお話をしたいと思います。
【ダンス】
ダンスは保育士の動きを見て真似るところから始まります。「見る力」や「聞く力」などの観察力が養えます。また、目や耳で獲得した情報は脳を通り身体で表現をすることになります。ダンスはこの身体・頭・心のバランスを育てるのに有効的です。動きを真似して培う認知の能力は記憶力・集中力・判断力・理解力を高めます。
また「動」と「停止」の動きが、脳の運動野を刺激して脳に良い影響をもたらすと言われています。このように身体を動かすことで脳由来神経栄養因子(BDNF)が盛んに分泌されます。それによりニューロンはその周りの脳血管が形成されます音楽を聴いたり、絵を描くことでもニューロンは増えますが、最も効果的だと言われるのが運動やダンスです。楽しみながら、踊る事で知らずに脳に良い影響を与えているのです。
人の脳にはミラーニューロンシステムといって、目の前の人の動作や意図を読み取り、見取り、見まねにかかわる神経細胞システムがあります。この神経細胞は近しい人、尊敬する人が相手であるほど活性化しやすいので、大好きな保育士のダンスではミラーニューロンシステムがしっかり働きます。
ミラーニューロンシステムの一部はブローカ野(発話性言語野)とかぶっており、見取り見まねに合わせた言葉の支持は有効ですし、言葉は見取り、見まねのための生まれたという考え方もあります。
【歌う事・楽器遊び】
発表会の演目の中に歌もありますね。子どもたちは歌が大好きです。
音楽は聴いているだけでも脳を刺激し記憶を司る「海馬」を活性化させます。音楽が流れると、脳は音の要素である「リズム」、「音質」、「音程」を理解しながら処理しようと多くの回路を駆使します。
さらに歌を歌うことは歌詞やリズム・音階を覚えなければならないため、脳の働きが活性化され記憶力を鍛える練習にもなります。歌うことは楽しく歌詞なども覚えやすいという側面もあり、小さな子どもでも意識せずに記憶をしていくことができ記憶力の向上につながるという効果もあるのです。
言語の発生には二説あります。
一つは言語道具説。言葉は何かを伝える便利な道具のようなものとして生まれたという説です。
もう一つは言語さえずり説。鳥がメスを呼ぶための求愛のさえずりが言語の元というものです。
いずれが正しいというより、言葉には「~は~である」といったことを伝える指示性と、自分の感情を伝える自己表出性があるわけで、歌や楽器の学習では特に後者が重視され、豊かな感情表現の基礎を育てます。
【劇・・演じる事】
セリフや動作を用いる劇もコミュニケーション能力を高めてくれます。
劇中の簡単なセリフやジェスチャーは、コミュニケーション能力を鍛えるとも言われています。そして自分の表現だけでなく、相手役を受け止める力が要求されます。相手の動きに合わせてセリフを言ったり,自分の番を待ったりと脳をフル回転しながら演じることで脳の活性化につながります。相手の存在を認め、協力することが出来るのが、劇だと思います。
【最後に】
発表会は子どもたちにとっても楽しい行事になっています。ダンス・歌・劇などを保育士やお友だちと作りあげることが出来、自分自身の成長にもつながっていきます。また上手に出来たことで保育士やおうちの方に褒められることで自信がつき、自己肯定感を育てていく事にもなるのです。
「ほめ写」プロジェクトといって、子どもたちのがんばっている写真などをリビングに張り出し、「この時頑張ったねえ」「かっこよかったねえ」などとほめることを三週間続け、結果、自己肯定感がどう変わるのか、脳はどうかを調べたことがあります。
まず脳活動ですが、自己肯定感の強いお子さんでは自分の写真を見たときに、①映像を記憶しながら考えることにかかわる右前頭前野の活動が高い、②心地よさにかかわる左の下前頭回の活動が高い、ことが見出されました。ようは自己肯定感とはそう難しい話ではなく、自分を見たり、思い浮かべるときに、ちょっと楽しくなること、少なくとも眼をそむけたくならないことです。そしてそのためにはお子さんが自分をイメージしたときに「ほめる」ことがだいじです。実際、ほめ写の結果、自己肯定感アンケートでいくつかの項目に改善がみられました。
発表会への努力の写真をとっておいて、いっぱいほめるといいですね。
今月はここまでとします。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
また見に来てくださると嬉しいです。