豊かな感性や表現力を伸ばす リトミック
子どもの習い事としても人気のリトミック。保護者の方が子どもの頃にはあまりなじみのない言葉でしたが、最近は良く聞かれるようになりましたね。
元々は音楽を用いた教育法のひとつなのですが、ただ音楽を習うのとは違います。遊び感覚で子どものさまざまな潜在能力を引き出す魔法の教育法として注目を浴びているのをご存じですか？
今や人気の習い事となったリトミック。どんな効果があるのか見てみましょう。
目次
リトミックって実際にはどんなことをするの？
西松ケ丘園の様子
リトミックを行っている場面を見たことがある方は多いでしょう。実際には先生がピアノを弾きながら行うケースが多いです。
先生は、音に強弱をつけたりリズムを変えたりしながらいろいろな音色を奏でていきます。それに合わせて子どもたちは自由に身体を動かしたり、表情を変えたりしながら表現します。
時には楽器を取り入れたり、手遊び歌を混ぜたりもします。月齢が上がってきたら友達と協力して行うこともあります。
基本的には厳しい決まりは設けず、子どもが楽しみながら音楽に親しみつつ、想像力や表現力、基礎体力、社会性などを育てる教育法と思ってください。
リトミックにはこんな効果がある！
①リズム感が養われ、音楽的感性が豊かになる
先生が奏でるピアノの音色はさまざま。低い音をゆっくり力強く出したり、高い音を細かく弱めに出したりなど、多様なパターンを用います。子どもたちはそんな音色やリズムをよく聴きながら、瞬時に動きを合わせたり、時には止まったりします。このような経験を積むことでだんだんと音楽的感性が磨かれ、リズム感も身に付いていきます。
②基礎運動能力が育つ
リトミックでは、幼少期に身に付けてほしい運動能力のサポートも期待できます。
幼少期は、歩く・走る・スキップする・ジャンプするなど基礎的な動きを通じて運動能力を育みますが、リトミックではそのような動きを多用に使います。
また、地面を這ったり転がったり後ろ向きに歩いたりなど独特の動きも取り入れています。基礎的な運動能力は、大人が教えるのではなく、子どもがさまざまな動きの体験を通じて自分で身に付けていくもの。リトミックを通じてさまざまな動きのパターンを体験することで、自然と基礎運動能力が身に付いていくでしょう。
③集中力や表現力を養う
先生の奏でるピアノに合わせて動くためには、集中して音楽を聴くことが大切。そして頭の中で創造力を働かせながら自分なりにアイデアを出して表現します。
音楽を良く聴こうとすることで集中力が育まれますし、「こうやって動いてみようかな」と想像力や表現力も育まれます。また意欲や挑戦する力も育まれるでしょう。
さらに月齢が上がると、お友達の動きをよく見て真似したりする場面も出てきます。お友達の動きをよく観察し、真似してアレンジしてみよう、と意欲が湧くでしょう。
このようにリトミックはトータル的に見て育能の効果が高いと言われています。
④社会性やコミュニケーション能力が育つ
西松ケ丘園の様子
月齢が上がると、少しずつ集団行動ができるようになってくるので、リトミックでもグループで行う方法を取り入れていきます。
友達と一緒にやり遂げる楽しさや達成感を味わえるようになると、1人で行っていた時よりも喜びや満足度は格別だという感情を抱く貴重な経験となるでしょう。
このような体験は、将来的に社会性やコミュニケーション能力の土台を育てていくことにつながります。
多面的に人間力を伸ばすリトミック
西松ケ丘園の様子
リトミックには総合的に人格形成をサポートし、人間力を育てる効果があります。
自分で考えて行動を起こす力はもちろん、友達とのコミュニケーションを通じて言葉で伝える大切さや相手の気持ちを理解する重要さ、そして音楽的な感性を磨き、自分の個性を伸ばす・・・。リトミックを通じて、幼少期から楽しんで身に付けていけるとうれしいですね。
何歳からでも始められる！
リトミックは月齢に合わせたカリキュラムを用意しているので、0歳児からでも始められます。
0～1歳児は親子でスキンシップを取ることが中心、2～3歳児は簡単なリズムと言葉を合わせたりして音楽とリズムに慣れることが中心です。
4歳以上になると、楽器を用いたり自分で考えて動きながら加減を身に付けたり、また友達とのやり取りを通じて集団行動を体験したりします。
「まだ習い事は早いかな」という月齢でも問題なく楽しめるので、悩んでいたらまず体験コースに入会してみるのもいいかもしれませんね。
リトミックは、子どもの身体的な能力と心の成長をやさしくサポートできることがお分かりいただけたでしょうか。
サンライズキッズ西松ヶ丘園では積極的にリトミックを取り入れ、職員も一緒になって楽しんでいます。
最初はどうしていいかわからずにもじもじしていた子でも、リトミックに慣れてくると、自分から積極的に行動したり言葉で表現したりすることができるようになっていきます。そんな子どもたちの成長を間近で見られるのは本当にうれしいこと。
これからもリトミックを通じて、子ども達の成長に寄り添っていきたいです。
令和４年度 保育士の振り返りアンケート結果
リトミックを取り入れることで、リトミックカリキュラム研修を通して、
子どもたちに変化が見られたか。また、変化が見られた場合
どのような変化が見られたか具体的に記載してください。
西松ケ丘園の保育士回答
- 歌に合わせて手拍子をしたり、首をふったりするようになりました。
- 音楽を聞いてリズムを取れるようになってきました。
- 音楽に興味をもち、耳を傾けてよく聞くようになりました。
- 保育士の真似をしてリズムを取ったり、音楽に合わせて身体を動かしたりすることが上手になりました。
西松ケ丘園以外のサンライズキッズ他園の保育士回答
- 音楽を聴いて楽しそうに反応するようになりました。音の高低やリズムを感じられるようになりました。
- みんなでリズムに合わせて楽しむような雰囲気をもち、自由な表現を楽しんでいるようになってきたと思います。
- ピアノを使って取り組むことで興味をもち、音をよく聞こうとしていました。
- 遊びの中でカリキュラムごっこをしたり、ピアノに親しみを持ったりしていました。
- カリキュラム活動に積極的に取り組むようになったと感じました。
- 音楽が流れたり、保育士の手拍子などに自然に反応して身体を動かしたりする姿が見られるようになりました。
- 楽器を使った際、初めは自由に楽器を鳴らしていたが、今では保育士やピアノの音に合わせて楽器を鳴らす姿がみられるようになりました。
- 音楽や音など、耳で聞こえたものに合わせて動く姿が見られ始めました。
- 符号を覚えるようになりました。符号の区別を理解し、声に出しながら手合わせを積極的に行うようになりました。リズム感を養うことができ、ピアノの音に耳を傾けながら表現することができるようになりました。
- さまざまな音の聴き分けができるようになりました。
- 音を聞いて、それに合わせて動くことができるようになりました。
- 以前より物事に取り組む際の集中力がつきました。
- 初めは乗り気でなかった子どもも、友達や保育士が楽しんでいる様子を見て「一緒にやってみよう」と言う気持ちで取り組む様になったため、変化を感じました。また音符カードを取り入れた当初は、見たままの音符を覚えているだけなように感じましたが、しっかりとリズムを理解して表現するようになってきています。
- 研修で学んだことを実践すると、子どもたちが積極的に取り組んでくれたと感じました。
- リトミックを通じてさまざまなことに対する自己表現が豊かになったと感じます。
- 四拍子の手拍子の最後の休符を待てるようになり、成長を感じて良かったと思いました。
- はじめは保育士と同じ事をする姿が多かった子ども達ですが、保育士も自由に身体を動かす事によって正解、不正解がない事を子どもたちなりに理解して、自由に動く姿が増えてきました。
- 毎回の研修で実践的なものを見せて頂けたので、子ども達にも伝えやすかったです。特に音を聞いて身体を動かす即興的なリトミックにおいては、ピアノの音をよく聞いて身体で感じられるようになったと思います。
- 保育士自身も楽しみながらリトミックに参加したことで、子どもたちも興味や関心を持ってできました。遊びの中で自然と子どもたち同士で楽しんでいました。家庭でも子どもが披露をし、保護者にもリトミックを知ってもらい一緒に楽しむ機会につながっているようで良かったです。
- 音楽に興味を持って楽しく取り組んでいたと感じました。
- 楽器の音を止めたり、鳴らしたりのメリハリがついて成長したと思います。
- 「ストップ&ゴー」などを通して音を聴きながら動きを判断する力がついたり、活動中の集中力が高くなったりといった成長を感じました。
- リズムの拍を意識する姿が見られるようになりました。2 歳児になると音の強弱、早さの変化など、自分で気づき、動作につなげられるようになったと感じます。
- 楽しく取り組むことによって楽器を使うのが上手になったと思います。
- 音や言葉を聞いて、静と動の動きが出来るようになってきました。
- 最近では短調と長調をとりいれると『、寒そうだね...』と言いながら音の変化に耳を傾けることができるようになっていました。
- ピアノに合わせて表現遊びを楽しんでいたことに成長を感じました。
- 具体的に実践を見ることで保育士が意図を理解して行うため、子どもたちにスムーズに実践して楽しむ様子を見ることができました。
- 音楽が聞こえるとリズムに合わせて身体を揺らしたり、リトミックで使用している曲だと「○○だ!」と動きで表現する姿が見られたりするようになりました。
- 子どもたちが音楽やリズムに親しむ経験を重ねたことで、新しい曲や活動にも積極的になったり、朝の会などでの季節の歌を楽しんだりする姿が増えました。
- 音楽が好きになり、自由表現やリズム打ちを楽しめるようになりました。
リトミックカリキュラム活動を振り返り、良かった点や反省点、
来年度につなげたい点がございましたらご記入ください。
- カリキュラムの時間を設けていることで園児たちの集中力が増したり、表現の幅が広がったことが良かったと思う
- 来年も子どもたちに合わせたカリキュラムを楽しんでいきたい
- リトミックに関してはとにかく初心者だったので、前半の研修内容は難しく感じました。
後半の0〜2歳児向けの内容（実践例）を実演していただくことによって、自園にあった内容に落としていけたと思います。保育者が恥ずかしがることなく、自信を持って行うことを心がけていきたいです。 - 楽しみながらカリキュラムに取り組むことができた。子どもたちも積極的に参加できるカリキュラムになった
- 子どもたちの興味に合わせながら工夫もしていきたいです