睡眠について
今回は睡眠についてお話していきたいと思います。
健康な体でいる為には欠かせない睡眠。それは大人もお子さんも一緒ですよね。
睡眠が十分でなかったりすると、イライラしてしまったり、日中にぼーっとしてしまうこともあるかと思います。
こちらの育脳のブログで昨年度にも睡眠についてのお話をさせていただきました。
年度も変わり、新しい生活に慣れてきたころだと思いますので、改めて生活の基本になる「睡眠」についてお話をしていきたいと思います。
【乳児の睡眠】
新生児期の頃は一日のほとんどを眠って過ごします。
一日におおよそ15~20時間睡眠をとるともいわれています。
4~5か月ごろからだんだんと昼に覚醒して夜に眠くなるという大人と同じサイクルの睡眠をとるようになってきます。
睡眠と覚醒がしっかりと分かれるということは、脳が正常な発達を迎えて、ある程度成熟したからと言えます。
このように睡眠が大切な時期に質の悪い睡眠をとっているとどうなってしまうのでしょうか。
成長に大切なのは睡眠と言われています。寝る子は育つという言葉は、言葉だけではなく正しい考え方なのです。
日常的に「睡眠があまりとれない」「夜更かしをよくする」という状況が続いていると、まだ発達途中である体や記憶力の低下、また、発達の遅れが見られると言われています。
午睡も体力が少ない乳幼児期にとっては大切な睡眠の一つと言えます。
しっかりと2時間程度入眠することで、より良い睡眠となり発達が促されていくと考えられています。
そのため、寝ないからといって起こしたり遊んでしまうわけではなくて、入眠を促したり、横になって過ごすだけでも体が休まり、その後の活動がより良いものになっていきます。
幼児期の昼寝は重要です。幼児の睡眠の研究は比較的豊富で最近報告されたGUIDELINES ON PHYSICAL ACTIVITY, SEDENTARY BEHAVIOUR AND SLEEP (WHO)でも以下の研究が検討されていました。ただし「質」の議論はこの国で行われているほど重視されていません。大人でも質をよくし短睡は成り立たないと考えられています。
・合わないパズルや解けないパズルに挑戦するとき、昼寝なしで行うと、懐疑的な考えや否定的な自己肯定、いらいらした体の動きが増え、自己制御がうまくいかなくなる。
・ 幼児は昼寝を奪われると、難しい課題にうまく参加することができにくくなり、成熟した自己制御が困難になる。
・子どもは睡眠を制限されると、ネガティブな絵、ポジティブな絵、ニュートラルな絵を見た時、ニュートラルやネガティブな絵に対してはよりネガティブに反応し、ポジティブな絵に対するポジティブな反応が弱くなる。睡眠を制限すると解けるパズルに対するポジティブな反応が34%減り、解けないパズルに対するネガティブな反応が31%増え、困惑が39%減る。
・昼寝を制限されると潜在的記憶に関するテストの成績は変わらないが、具体的に示された認知課題の成績は低下した。
・ある動作を教えた後、昼寝をした幼児は、寝ていない幼児に比べて、その動作の再現成績がよかった。
・昼寝をした幼児は、そうでない幼児に比べて目的となる動作をたくさん、かつはやく再現できた。
このように睡眠はかなり重要な働きをしてくれているのですね。
サンライズキッズ保育園では12時ごろからしっかり2時間程度の午睡を設けることで、発達を促し、午後の時間をより良いものにできるように環境を整えています。
【入眠を促すために】
入眠を促してより良い睡眠をとるには、入眠時にオルゴールを流すとよいと言われています。
穏やかな音楽を小さな音で流すことによって、心が落ちつき入眠へと誘われていきやすくなります。
その際に保育者も横に座り、タッチングを行う等して1人1人が落ち着いて穏やかに入眠できるように配慮を行っております。
その他にも暗くすることでセロトニンのメラトニン化が促進されます。
周りの寝息も重要です。
サンライズキッズでも、午睡時にはオルゴールを流して、穏やかな雰囲気の中で安心して睡眠をとれるように配慮しています。
【寝る力】
睡眠のリズムなど、「寝る力」が付くのは10歳までの保護者の関わり(保育者含む)が重要と言われています。
10歳ごろまでにうまく寝られるような生活リズムを付けることができないと、その後の集中力の低下につながり、スポンジのようにいろんな情報を吸収できる時期にうまく吸収ができなくなってしまいます。
それを防ぐためにも質の良い睡眠は重要になってきます。
もし、乳幼児期に睡眠不足が続くとどうなってしまうのでしょうか。
今、22時以降に就寝する「夜行型ベビー」が増えているといいます。
上記の事例にも記載があるように睡眠の重要性がわかります。
サンライズキッズでは、ご家庭と協力して良質な睡眠がとれるように日々の引継ぎや日中の情報共有などしっかりと行っていけるように心がけています。