ことばや集中力が身につく 絵本の読み合い
絵本の読み合いには、リラックス効果があるとされています。子どもは大好きな大人の声を聞くと安心できますし、読み手の大人も絵本を読むことで、心が落ち着く効果があるそうです。
サンライズキッズ保育園 白山園では、毎日10冊以上の絵本の読み合いを行っています。そこでこのページでは、絵本の読み合いで得られる効果と、月齢に合った絵本の選び方、地域の図書館をご紹介します。
目次
絵本の読み合いでえられる効果4つ
1.集中力がつく
白山園の様子
大人が気持ちをこめて読み合いをすると、子どもはどんどん絵本の世界に入りこみます。赤ちゃんの頃は文字が少ない絵本から始め、成長するにつれて少しずつ物語性のある絵本を選んであげましょう。絵本をじっと見つめて大人の声に集中する子どもたち。夢中になることで、集中力が養われていきます。
絵本を読む時間を習慣化するのも効果的です。例えば、お昼寝前や夜寝る前を読み合いタイムにしてみてはいかがでしょうか。習慣化することで、子どもは「絵本を読んだらお昼寝かな」と先の見通しが立てられ、落ち着いて行動に移すことができます。また、寝る前の読み合いは、リラックス効果もあるとされています。
2.気持ちの安定
絵本の読み合いでは、読み手と聞き手で時間を共有することができます。一緒に楽しい時間を過ごすことで、子どもの気持ちが安定し、心を落ち着かせることができるでしょう。
3.言葉の習得
同じ絵本の読み合いを繰り返し行うことで、子どもは文字は読めなくても、聞いた言葉を覚えていきます。最初はオウム返しのように聞いたまま真似をしますが、だんだんと言葉の意味を理解し、自分のものとして獲得していきます。このような経験を繰り返すことでだんだん日常生活でも言葉を発するようになっていきます。
また、子どもにとって自分の気持ちを言葉にして表現することや、相手の気持ちを理解することは、とても難しいこと。自分の気持ちを表現する絵本や、相手の気持ちを汲むことを学ぶ絵本もあるので、活用していくとよいでしょう。
4.コミュニケーション力がつく
絵本の読み合いは、相手とコミュニケーションをとらないとできないことです。子どもの反応を見ずに大人が勝手に読み進めていっても、子どもは楽しく感じませんね。一対一で子どもの反応を見ながらじっくりと絵本を読むことで、信頼関係や愛着関係も育くまれていくでしょう。
サンライズキッズ白山園では、クラス全体での読み合いだけでなく、膝に子どもを乗せ、一対一で密着して関わりながらの読み合いも行っています。
スキンシップをとりながら絵本を読み合いすることで、安心感が生まれ、保育者との信頼関係も高まります。子どもがとてもいい笑顔になっていくのが分かりますので、ぜひ子どもの顔に注目してみてくださいね。
0〜2歳児の絵本選び
白山園の様子
絵本にはさまざまな種類があります。ここでは月齢にあった絵本の特徴をご紹介します。
0歳児の絵本選び
■文字がない絵本
文字がなく絵だけの絵本は0歳児におすすめです。絵を見て大人が言葉を考えながら、子どもに語り掛けるように読んでみると、とても喜ぶでしょう。
■色や形がはっきりした鮮やかな絵
色彩がはっきりした絵は、子どもの目を引きやすいです。赤ちゃんが指差しをしたら、やさしく応えてあげましょう。
■繰り返しの絵本
ブーブー、わんわんなど、擬音楽しむ絵本は、子どもも覚えやすく、真似をして楽しんでくれます。
■絵本が破れたら
子どもが絵本を破ることは日常茶飯事。保育園では子どもが絵本を破ってしまったとき「びりびり痛かったね」「撫でてあげようか」など、保育者が絵本の気持ちを代弁し、子どもたちに伝えています。そうすることで、子どもたちは「いけないことをしちゃったのかな」とだんだんと分かるようになっていくのです。
また、子どもに触らせながら読み合いをするときは厚手の絵本を用意し、高く持って読み合いをするときは薄手の絵本にするなど、使い分けを行っています。
1歳児の絵本選び
■遊びながら見られる絵本
絵本に合わせて、ジャンプしたり身体を揺らしたりしながら見られる絵本があります。身体を動かすことが好きな子どもには特におすすめです。
■物語がある絵本
1歳後半になると、簡単な物語の展開が理解できるようになってきます。次のページを想像しながら絵本を楽しめるのでないでしょうか。
2歳児の絵本の選び
■季節や行事に関連した絵本
絵本で季節の行事などが楽しめます。幼いころから日本の四季や文化に触れることはとてもいいことですね。
■図鑑
天気の良い日に外に遊びに出かけると、動植物に触れることがあります。外で見つけた植物を図鑑で調べてみたり、図鑑で見つけたものを外に探しに行ったりすると、外遊びに期待感が持てるでしょう。
■生活習慣が学べる絵本
身の回りのことがだんだんと自分でできるようになる月齢です。トイレトレーニングを本格的に始める家庭もあるでしょう。そんな時は絵本でまず楽しく学んでから挑戦してみるといいですよ。
読み合いをする際、気を付けているところ
表紙と裏表紙も見てみる
表紙や裏表紙には、本編にはない物語が描かれていたり、絵がつながって1つの絵になっていたりすることがあります。絵本を読み終わった後は、子どもたちに裏表紙と表紙を広げて見せて、終わりにしています。
絵本は見えやすいように持つ
白山園の様子
絵本に描かれている絵を手で隠さないように気を付けています。絵本の高さにも配慮し、どの方向の子どもたちからも見やすい高さで掲げています。
声に抑揚をつける
声に抑揚をつけると、絵本の世界観がより子ども達に伝わりやすくなります。キャラクターや主人公に合わせて、声の高さや大きさ、速さを変えると、子どもたちも楽しめるでしょう。
文京区で絵本に親しむなら
絵本は図書館で借りることができます。月齢別の絵本、季節や行事の絵本、面白くて笑える絵本、ちょっと切なくなる絵本など、たくさん取り揃えています。本屋さんに行く前に、図書館で子どもが興味を持つ絵本を探ってみるのもいいですよ。
文京区立図書館
- ・真砂中央図書館
- ・本郷図書
- ・小石川図書館
- ・本駒込図書館
- ・水道端図書館
- ・目白台図書館
- ・千石図書館
- ・湯島図書館
- ・根津図書館
- ・大塚公園みどりの図書室
※開館時間…平日・土曜日午前9時から午後9時(千石図書館…午前9時から午後8時)
※休館日…第4月曜日 年末年始 特別整理日(真砂中央・本郷・目白台・千石・大塚公園)
第3月曜日 年末年始 特別整理日(小石川・本駒込・水道端・湯島・根津)
※文京区図書館のホームページには「おはなし会」の予定も載っていますのでご覧ください。https://www.lib.city.bunkyo.tokyo.jp/
サンライズキッズ白山園では、たくさんの絵本を子どもたちと読み合いしながら、保育者も一緒に絵本の世界観を楽しんでいます。また、子どもが飽きないように保育者ひとり一人が工夫して読み合いに取り組んでいます。夢中になって楽しんでいる子どもの姿はとてもかわいいものですね。
絵本の読み合いで得た集中力や想像力、読解力は将来きっと役に立つでしょう。
子どもが興味のある絵本や、読み合いのコツなど、何か分からないことがあったら保育者にご相談くださいね。
保育士の振り返りアンケート結果
「絵本の読み合い」を通して、子どもたちに変化が見られたか。
また、変化が見られた場合どのような変化が見られたか具体的に記載してください。
白山園の保育士回答
- お気に入りの絵本を繰り返し「読んで」、と持ってくるようになりました。
- 以前より集中して絵本を見られるようになりました。
- 毎日読み合いを行うことで、子どもたちの絵本への興味が出てきたり、集中力が高まったりしてきたと感じます。
- 絵本に興味を持つ子どもが増えたと感じました。また、語彙が増えたことに成長を感じます。
- 集中力が高まり、座ってじっと絵本の話を聞く姿が増えました。
- 子ども達の言葉や発声が日を増すごとに増えていると感じました。
白山園以外のサンライズキッズ他園の保育士回答
- 物事に集中することに対する強弱の付け方などを学び、子どもの集中する時間が長くなったように感じます。
- 落ち着いて最後まで絵本に集中して見られるようになりました。
- お話を楽しみにしたり、お話に集中したりする力がつきました。
- 絵本に出てくる簡単な言葉や音を覚えたり、絵本の読み合いの時間を繰り返すことで集中してお話を聞けるようになったりしています。また、落ち着いて静の時間を過ごせるようになりました。
- お話を覚えていたり、楽しみにしていたり、興味関心や集中してみる力が育まれたように思います。
- とくに2歳児では、戸外遊びの時に見たものが絵本に出てきたものと似ていたり同じだったりすると、知らせたり、それに対してイメージをふくらませてみたり、また会話や遊びの中でお話と同じ内容を取り入れてみたりするなど、遊びの中で絵本のストーリーを取り入れ、より想像力豊かに遊ぶ姿が見られました。
- 絵本に対して以前より集中して見られるようになってきていると感じます。
- 繰り返し絵本の読み合いを行うことに対して、子どもたちの反応が大きかったです。
- 散歩中や戸外遊び時に「絵本に出てきた〇〇だね」と話して発見を楽しむ姿が見られました。
- 絵本の中に登場するものを、現実に存在するものの中から見つけたり、言葉を繰り返しているうちに覚えたりしました。
- 登場人物の心情を想像することで他者の気持ちを考えてみる想像力が養われたり、語彙を身に付けたりすることができました。
- 絵本の展開を覚えて発語したり、一緒に笑ったり驚いたりするようになりました。
- 集中力がつき、全体の読み合いを静かに聞けるようになりました。
- 年度終わりでは長めの絵本 ( 内容によるが年中向き ) の絵本を静かに聞けるようになるほど集中力がつきました。
- 物事に対する集中力が高まり、言葉からの想像力も育まれたと感じます。
- 絵本の読み合いを通して、集中力の持続が感じられました。最初は短い絵本でも立ってしまったり飽きてしまったりする園児もいましたが、年度後半に差し掛かるにつれて長い絵本が聞ける様になりました。職員の話もしっかり聞くことができるようになったと思います。
- 絵本が好きになり、お気に入りの絵本を保育士と一緒に楽しもうとしたり、さまざまな興味や疑問を持ったりしながら絵本を見るようになりました。
- 絵本に興味を示すようになり、絵本をよく見るようになりました。
- 集中が続くようになり、座って絵本を読んだり、じっと見たりすることができるようになりました。
- 絵本に出てくる単語を覚え、そこから発語につながっていったと感じます。
- 楽しそうに読む姿が見られ、何度も繰り返し読むことで自分で内容を覚えて読んでいく姿も見られました。
- 絵本を読むことについてイメージを膨らませて発展させて楽しむ姿が見られました。
- より絵本が好きになり、少しの時間でも絵本を読みたいと子どもたちから言ってくるようになりました。
- 毎日読み合いする時間があり、子どもたちも興味を持って見ることができていたと思います。
- 絵本をじっくりみて楽しむ姿が多くなりました。「絵本をみたい」と、手に取る姿が増えたと感じています。
- 語彙が増えたり、絵本への興味を持ったりするようになりました。
- 絵本が大好きになり、始まると静かに耳を傾けている子が増えました。
- 絵本を集中してみる時間が増え、少しずつ長い話も聞けるようになっています。
- 繰り返し読み合いすることにより絵本への関心や興味を持つことができるようになりました。絵本を楽しみにするようになりましたし、言葉の模倣も楽しむことができるようになりました。
- お気に入りの絵本ができ、読み合いの時間を喜ぶ姿が見られました。また絵本の中の言葉を覚え、一緒に読む子どももいました。
- 絵本で描かれている絵の色づかいやお話の展開に興味関心が広がり、想像力が高まっていました。
絵本の読み合いを振り返り、良かった点や反省点、
来年度につなげたい点がございましたらご記入ください。
- 実際の絵本を読み合いしていただいて、わかりやすかったです。
- さまざまな絵本を知れて良かった。毎月の絵本の読み方も教えていただき実践できた。
- 好きな絵本が子どもたちの中でうまれていったことがよかった。
年度の後半には長い物語も楽しめるようにしていきたい。 - 季節感や発達によりあった絵本を読んでいきたいた。
- 子どもたちの反応が大きかったり、集中して絵本の世界へ入り込むことができるようになったので良かった。