ことばや集中力が身につく 絵本の読み合い
子どもから大人まで、幅広い世代から愛され続けている絵本。あたたかな言葉や絵が、見る人の心を癒してくれます。
絵本にはそんな癒しの効果だけでなく、子どもたちが将来社会に出たときに必要となる様々な力を育む効果があることがわかっています。
目次
絵本の読み合いで期待できる5つの効果
1.想像力や思いやりの心が育まれる
国府宮園の様子
たくさんの絵本に触れて様々なイメージを膨らませることで、想像力がどんどん成長します。
すると、相手の気持ちを想像して共感することができるようになるので、思いやりのある優しい子に育ってくれるでしょう。
2.表情が豊かになる
笑った顔や怒った顔・泣いた顔など、絵本の中の登場人物は様々な表情を見せてくれます。
そんな登場人物と一緒に笑顔になったり怒った顔になったり、見ている子どもたちは自然とその表情を真似するものです。絵本を通して人間にはたくさんの表情があるということを知って、子どもの表情も豊かになっていきます。
3.読書が好きになる
小さい頃からたくさんの絵本に親しんでいる子は文章を読むのが好きになり、そこから本が好きになります。すると、読解力が付くだけでなく様々な知識を得ることにもつながります。
本から得た知識は、社会に出てからもいろいろな場面で役に立つでしょう。
4.たくさんの言葉を覚えることができる
簡単な単語から、オノマトペのような擬態語・擬音語、登場人物同士で行われる会話など、絵本には多様な言葉が使われています。数多くの絵本に触れるとそれだけ多くの言葉を耳にするので、早く言葉を覚えることができるでしょう。
5.集中力が高まり聞く力が身に付く
国府宮園の様子
習慣的に読み合いを行ううちに、やがて子どもたちは「何が始まるのだろう?」と絵本に期待を持つようになるでしょう。興味が出ると自然と読み合いに集中できるだけでなく、読み手の話もきちんと聞こうとするようになります。
乳幼児向け絵本の選び方
●0歳児向け:言葉の音を楽しめるもの
0歳の赤ちゃんには、言葉を音として楽しめる絵本がおススメ。音で言葉の楽しさを感じ取り、言葉に対する興味を引き出していくことができるでしょう。
●1歳児向け:言葉のリズムが心地良いもの
言葉を覚え始めた1歳児には、「がたんごとん」や「まてまて」などシンプルな言葉が繰り返し出てくる絵本がぴったりです。
心地良い言葉のリズムを通して、より言葉の楽しさに気付くことができるでしょう。また、簡単な言葉は幼い子にも真似しやすいので、それがやがて語彙力を伸ばすことにも繋がります。
●2歳児向け:ストーリー性のあるもの
少しずつ言葉の意味を理解できるようになってくる2歳児向けには、簡単なストーリー性のある絵本がおススメです。次はどんな展開になるのだろうとドキドキワクワクしながら聞くことで、発想力や想像力を高めることができるでしょう。
0~2歳向けおススメ絵本
●0歳児向け
「だるまさんが」
とても人気の高いだるまさんシリーズの中の1冊。「だーるーまーさーんーがー」の言葉に合わせて、つい子どもたちも一緒に体を動かしてしまう絵本です。思わず笑ってしまうような仕草も入っており、みんなを笑顔にしてくれます。
「がたんごとんがたんごとん」
「がたんごとん」というシンプルなリズムの繰り返しがくせになります。何回も読みたくなる、子どもたちに大人気の絵本。
●1歳児向け
「こりゃまてまて」
少しずつ歩くことができるようになった時期におすすめの絵本。お散歩に出かけた子どもが、虫や動物などに出会い一生懸命追いかける姿が描かれており、子どもたちが親しみを持てるでしょう。
「ポケット」
ポケットの中からひよこやぞうなど、動物が出てくる不思議な絵本。ページをめくるたびにいろんな動物に会うことができて、ワクワクしながら読み進められます。
●2歳児向け
「ねずみさんのながいパン」
長いパンを持ったねずみが、ある場所を目指す途中で様々な動物に出会うお話です。少しドキドキするような場面もあり、ストーリー性のある絵本も楽しむことができるようになってきた2歳児にぴったり。
「バスなのね」
椅子をたくさん並べてバスに見立てる、という発想力が豊かな男の子が主人公。この絵本を見ることで、子どもたちの発想力も刺激されることでしょう。
絵本を読むときのポイント
国府宮園の様子
おうちで読み合いをするときにおススメしたいのが、大人の膝の上に子どもを座らせること。
すぐ後ろから絵本を読む声が聞こえてくることで、感情や鼓動が感じやすくなるので、子どもはより絵本の世界に入り込んでいくことができるでしょう。
また、膝の上に座った時の子どもの目線は大人と近くなるので、二人とも同じ目線から絵本を楽しむことができます。
愛知県内・稲沢市内の絵本がたくさんある施設
●愛知県立図書館
●名古屋市立図書館
https://www4.city.inazawa.aichi.jp/WebOpac/webopac/index.do
- ・中央図書館(稲沢市正明寺)
- ・平和町図書館(稲沢市平和町)
- ・祖父江の森図書館(稲沢市祖父江町)
サンライズキッズ保育園では、全園で1日に10冊以上の絵本の読み合いを行うのを日課にしています。つまり、1年間続けるとのべ2,400冊以上という計算です。
国府宮園の子どもたちも、毎日の読み合いを通していろいろな絵本に親しんでいます。目をキラキラさせながら絵本を見つめる子どもたちが、いつも新鮮な気持ちでお話を聞けるよう、保育士たちが交代で読み手をするのもポイントです。
これからも子どもたちが楽しく絵本に親しめるよう工夫しながら、たくさんの絵本の読み合いを続けていきたいと思います。
保育士の振り返りアンケート結果
「絵本の読み合い」を通して、子どもたちに変化が見られたか。
また、変化が見られた場合どのような変化が見られたか具体的に記載してください。
国府宮園の保育士回答
- お気に入りの絵本を繰り返し「読んで」、と持ってくるようになりました。
- 毎日読み合いを行うことで、子どもたちの絵本への興味が出てきたり、集中力が高まったりしてきたと感じます。
- お話を覚えていたり、楽しみにしていたり、興味関心や集中してみる力が育まれたように思います。
- 絵本に興味を持つ子どもが増えたと感じました。また、語彙が増えたことに成長を感じます。
- 集中力が高まり、座ってじっと絵本の話を聞く姿が増えました。
- 絵本が好きになり、お気に入りの絵本を保育士と一緒に楽しもうとしたり、さまざまな興味や疑問を持ったりしながら絵本を見るようになりました。
- 絵本に興味を示すようになり、絵本をよく見るようになりました。
- 楽しそうに読む姿が見られ、何度も繰り返し読むことで自分で内容を覚えて読んでいく姿も見られました。
- 絵本をじっくりみて楽しむ姿が多くなりました。「絵本をみたい」と、手に取る姿が増えたと感じています。
- 繰り返し読み合いすることにより絵本への関心や興味を持つことができるようになりました。絵本を楽しみにするようになりましたし、言葉の模倣も楽しむことができるようになりました。
国府宮園以外のサンライズキッズ他園の保育士回答
- 以前より集中して絵本を見られるようになりました。
- 物事に集中することに対する強弱の付け方などを学び、子どもの集中する時間が長くなったように感じます。
- 落ち着いて最後まで絵本に集中して見られるようになりました。
- お話を楽しみにしたり、お話に集中したりする力がつきました。
- 絵本に出てくる簡単な言葉や音を覚えたり、絵本の読み合いの時間を繰り返すことで集中してお話を聞けるようになったりしています。また、落ち着いて静の時間を過ごせるようになりました。
- とくに2歳児では、戸外遊びの時に見たものが絵本に出てきたものと似ていたり同じだったりすると、知らせたり、それに対してイメージをふくらませてみたり、また会話や遊びの中でお話と同じ内容を取り入れてみたりするなど、遊びの中で絵本のストーリーを取り入れ、より想像力豊かに遊ぶ姿が見られました。
- 絵本に対して以前より集中して見られるようになってきていると感じます。
- 繰り返し絵本の読み合いを行うことに対して、子どもたちの反応が大きかったです。
- 散歩中や戸外遊び時に「絵本に出てきた〇〇だね」と話して発見を楽しむ姿が見られました。
- 絵本の中に登場するものを、現実に存在するものの中から見つけたり、言葉を繰り返しているうちに覚えたりしました。
- 登場人物の心情を想像することで他者の気持ちを考えてみる想像力が養われたり、語彙を身に付けたりすることができました。
- 絵本の展開を覚えて発語したり、一緒に笑ったり驚いたりするようになりました。
- 集中力がつき、全体の読み合いを静かに聞けるようになりました。
- 年度終わりでは長めの絵本 ( 内容によるが年中向き ) の絵本を静かに聞けるようになるほど集中力がつきました。
- 物事に対する集中力が高まり、言葉からの想像力も育まれたと感じます。
- 子ども達の言葉や発声が日を増すごとに増えていると感じました。
- 絵本の読み合いを通して、集中力の持続が感じられました。最初は短い絵本でも立ってしまったり飽きてしまったりする園児もいましたが、年度後半に差し掛かるにつれて長い絵本が聞ける様になりました。職員の話もしっかり聞くことができるようになったと思います。
- 集中が続くようになり、座って絵本を読んだり、じっと見たりすることができるようになりました。
- 絵本に出てくる単語を覚え、そこから発語につながっていったと感じます。
- 絵本を読むことについてイメージを膨らませて発展させて楽しむ姿が見られました。
- より絵本が好きになり、少しの時間でも絵本を読みたいと子どもたちから言ってくるようになりました。
- 毎日読み合いする時間があり、子どもたちも興味を持って見ることができていたと思います。
- 語彙が増えたり、絵本への興味を持ったりするようになりました。
- 絵本が大好きになり、始まると静かに耳を傾けている子が増えました。
- 絵本を集中してみる時間が増え、少しずつ長い話も聞けるようになっています。
- お気に入りの絵本ができ、読み合いの時間を喜ぶ姿が見られました。また絵本の中の言葉を覚え、一緒に読む子どももいました。
- 絵本で描かれている絵の色づかいやお話の展開に興味関心が広がり、想像力が高まっていました。
絵本の読み合いを振り返り、良かった点や反省点、
来年度につなげたい点がございましたらご記入ください。
- 実際の絵本を読み合いしていただいて、わかりやすかったです。
- さまざまな絵本を知れて良かった。毎月の絵本の読み方も教えていただき実践できた。
- 好きな絵本が子どもたちの中でうまれていったことがよかった。
年度の後半には長い物語も楽しめるようにしていきたい。 - 季節感や発達によりあった絵本を読んでいきたいた。
- 子どもたちの反応が大きかったり、集中して絵本の世界へ入り込むことができるようになったので良かった。