ことばや集中力が身につく 絵本の読み合い
最近は人々の活字離れが進んでいるそうです。本を身近に感じられるよう、幼いころから子どもを絵本に触れさせましょう。
絵本に触れる機会を増やすため、サンライズキッズ保育園では絵本の読み合いに力を入れています。読む声が子どもに安心感を与え、聞く力や想像力、感受性も養われます。想像力を膨らませて、楽しい・悲しい・嬉しいといった感情やドキドキ感を絵本で味わってほしいものです。
このページでは、絵本の読み合いで得られる効果や絵本の選び方、絵本を楽しめる図書館をご紹介したいと思います。
目次
絵本の読み合いで得られる4つの効果
1.気持ちが落ち着く
生駒園の様子
読み合いは、読み手と聞き手が時間を共有します。特に一対一で絵本を読むこと、子どもは気持ちを安定させ心を落ち着かせることができるでしょう。短い時間でも一緒の時間を過ごすことが、子どもの気持ちの安定に繋がります。
また、子どもたちは保育園に初めて登園する際にはとても緊張していますが、絵本を読みきかせると、子どもの緊張を緩和させることができます。
2.コミュニケーションになる
絵本の読み合いは、コミュニケーションです。一対一でじっくりと絵本を読んであげることで、信頼関係や愛着関係が育まれます。
サンライズキッズ生駒園ではクラス全体での読み合いはもちろん、膝に子どもを乗せた対一での読み合いも行っています。スキンシップをしながら絵本を見ると子どもは安心し、信頼度が高まるのです。
3.集中力がつく
大人が気持ちを込めて絵本を読むことで、子どもは絵本の世界に入り込みます。初めは短く繰り返しの言葉がならぶ絵本から、徐々に物語の絵本に移行していくことで、絵本に夢中になり集中力もついてきます。
絵本を読む時間を習慣化するのもおススメ。例えば、お昼寝前や夜寝る前など読み合いの時間を決めていると、子どもも先の時間の見通しがつくので、落ち着いて絵本に集中できるでしょう。
サンライズキッズ生駒園ではお昼寝前以外にも、活動と活動の間の時間に絵本の読み合いを行っています。これにより次の活動に移るきっかけになったり、気持ちを一旦落ち着かせてから次の活動に取り組んだりできるのです。
4.言葉が習得できる
生駒園の様子
絵本の読み合いを繰り返し行うことで、文字がまだ読めない子たちも、聞いた言葉を覚えます。発音を真似するところから少しずつ自分の言葉になり、やがて日常でも使えるように。
また、子どもにとって気持ちを言葉にして表現するのはとても難しいことです。子どもの気持ちを分かりやすく表現している絵本もあるので、うまく活用すると良いでしょう。
0・1・2歳児向けの絵本とは
0歳児の絵本の選び方
■色彩が色鮮やかな絵
初めて絵本に触れる0歳児は、文字よりも色鮮やかな絵に興味を持ちます。色彩がはっきりした絵本だと興味を持って見てくれるはず。
■語り掛けて読める絵本
絵本の中には、文字がなく絵だけの絵本もあります。絵を見て考えた言葉で子どもに語り掛けて読んでみると、子どもたちも喜ぶでしょう。
■擬音の言葉が繰り返されている絵本
繰り返しの言葉のある絵本では、子どもたちは「ブーブー」「わんわん」などの擬音を楽しみます。擬音は子どもの耳にもなじみやすいので、真似して発してくれますよ。
■絵本が破れてしまったら
何にでも興味のある0歳児は、手先が使えるようになると絵本を破ってしまうことがあります。
サンライズキッズ生駒園では、子どもが絵本を破ってしまったときは「びりびり痛かったね」「撫でてあげようか」など、保育士が絵本の気持ちを代弁し子どもたちに伝えています。こうすることで子どもにも理解できるのです。
また簡単に破れない厚手の絵本を用意したり、薄手の絵本は読み合いをする保育士専用にしたりして、使い分けも行っています。
1歳児の絵本の選び方
■起承転結がある絵本
1歳になるころから、繰り返し言葉の絵本だけでなく、徐々に簡単なストーリー性のある絵本も楽しめるようになってきます。起承転結がある絵本もじっくり集中できるでしょう。
■遊べる絵本
絵本に合わせて身体を揺らしたり、ジャンプしたりして遊べる絵本もあります。このタイプの絵本をつかえば、おうちでも身体を楽しく動かしながら過ごせるでしょう。
2歳児の絵本の選び方
■図鑑
天気の良い日に散歩や公園に出かけると、動植物に触れる機会があるはず。外で見つけた植物を図鑑でも探してみたり、図鑑で見たものを逆に外に探しに行ってみたりと、図鑑をつかえばもっと外遊が楽しくなります。
■生活習慣を描いた絵本
身の回りのことやトイレに興味が出てくる2歳児。生活のいろいろな場面が描かれた絵本を見ることで、楽しく生活習慣を身につけられます。
■行事や季節に関連する絵本
サンライズキッズ生駒園、行事に関する絵本や季節感のある絵本も積極的に取り入れています。また、絵本だけでなく紙芝居も取り入れることで、絵本とは違った子どもとのやり取りも楽しんでいます。
サンライズキッズ生駒園で実践している読み合いポイント
■声の抑揚
絵本を読む際には、たんたんとそのまま文字を読んでも楽しさや世界観が子どもたちに伝わりません。ストーリーやキャラクターに合わせた声の抑揚をつけるのがポイントです。
ゆっくり読んだり早く読んだり、小さい声や大きい声で読んだりすると、更に絵本が楽しいものに。さらに、うまく「間」を作ることで世界観が広がり、子どもたちにドキドキしながら絵本を楽しんでもらえます。
■絵本は見えやすいように
生駒園の様子
手で絵を隠さないように気を付けながら、子どもから見えやすい位置に絵本を持ちます。特に、全員で読み合いを行う際は、座る位置や絵本の高さにも注意が必要です。
また、初めて読み合いをする絵本の場合は、事前に保育者が集まってお互いに練習することもあります。
■表紙と裏表紙も見せる
表紙や裏表紙にも、小さな物語が隠れていたり絵がつながっていたりするものです。絵本を読み終わった後は、子どもたちに裏表紙と表紙を広げて見せています。
生駒市で絵本に親しむなら
図書館には様々な絵本がたくさんあります。子どもの年齢別や興味にぴったりの絵本もいくつもそろっているので、選ぶのに迷ったら図書館に行くのがおススメです。
種類別に分けられていたり、テーブルや椅子が設置されていたりと、その場で絵本を読むこともできます。また、自治体で行っている「おはなし会」に参加するのも、絵本を好きになるきっかけになるでしょう。
生駒市図書館
https://lib.city.ikoma.lg.jp/TOSHOW/asp/index.aspx
(本館)
・開館時間…午前9時30分から午後5時
・休館日…月曜日/第1金曜日/年末年始/特別整理期間
(生駒駅前図書室)
・開館時間…[火曜日から金曜日]午前9時30分から午後8時[土曜日日曜日祝日]午前9時時30分から午後5時
・休館日…月曜日/第1金曜日/年末年始/特別整理期間
(鹿ノ台図書室)
・開館時間…午前9時30分から午後5時
・休館日…月曜日/第1金曜日/年末年始/特別整理期間
(南分館)
・開館時間…午前9時30分から午後5時
・休館日…月曜日/第1金曜日/年末年始/特別整理期間
(北分館)
・開館時間…午前9時30分から午後5時
・休館日…月曜日/第1金曜日/年末年始/特別整理期間
読み合いの最中は、子どもたちが保育園にいる時間の中で一番集中しているときかもしれません。集中力を鍛える大切な時間として、これからも子どもたちにたくさんの絵本を読み合いをしていきたいと思います。
おうちでもぜひ、お子さんと絵本時間を一緒に楽しんでください。
お子さんが好きな絵本や読み合いのコツなど、わからないことがあれば保育士へのご質問をお待ちしています。
みなさまが素敵な絵本と出会えますように。
保育士の振り返りアンケート結果
「絵本の読み合い」を通して、子どもたちに変化が見られたか。
また、変化が見られた場合どのような変化が見られたか具体的に記載してください。
生駒園の保育士回答
- お気に入りの絵本を繰り返し「読んで」、と持ってくるようになりました。
- 落ち着いて最後まで絵本に集中して見られるようになりました。
- 毎日読み合いを行うことで、子どもたちの絵本への興味が出てきたり、集中力が高まったりしてきたと感じます。
- 絵本に興味を持つ子どもが増えたと感じました。また、語彙が増えたことに成長を感じます。
- 集中力がつき、全体の読み合いを静かに聞けるようになりました。
- 絵本に興味を示すようになり、絵本をよく見るようになりました。
- 楽しそうに読む姿が見られ、何度も繰り返し読むことで自分で内容を覚えて読んでいく姿も見られました。
- 絵本が大好きになり、始まると静かに耳を傾けている子が増えました。
- 絵本を集中してみる時間が増え、少しずつ長い話も聞けるようになっています。
- お気に入りの絵本ができ、読み合いの時間を喜ぶ姿が見られました。また絵本の中の言葉を覚え、一緒に読む子どももいました。
生駒園以外のサンライズキッズ他園の保育士回答
- 以前より集中して絵本を見られるようになりました。
- 物事に集中することに対する強弱の付け方などを学び、子どもの集中する時間が長くなったように感じます。
- お話を楽しみにしたり、お話に集中したりする力がつきました。
- 絵本に出てくる簡単な言葉や音を覚えたり、絵本の読み合いの時間を繰り返すことで集中してお話を聞けるようになったりしています。また、落ち着いて静の時間を過ごせるようになりました。
- お話を覚えていたり、楽しみにしていたり、興味関心や集中してみる力が育まれたように思います。
- とくに2歳児では、戸外遊びの時に見たものが絵本に出てきたものと似ていたり同じだったりすると、知らせたり、それに対してイメージをふくらませてみたり、また会話や遊びの中でお話と同じ内容を取り入れてみたりするなど、遊びの中で絵本のストーリーを取り入れ、より想像力豊かに遊ぶ姿が見られました。
- 絵本に対して以前より集中して見られるようになってきていると感じます。
- 繰り返し絵本の読み合いを行うことに対して、子どもたちの反応が大きかったです。
- 散歩中や戸外遊び時に「絵本に出てきた〇〇だね」と話して発見を楽しむ姿が見られました。
- 絵本の中に登場するものを、現実に存在するものの中から見つけたり、言葉を繰り返しているうちに覚えたりしました。
- 集中力が高まり、座ってじっと絵本の話を聞く姿が増えました。
- 登場人物の心情を想像することで他者の気持ちを考えてみる想像力が養われたり、語彙を身に付けたりすることができました。
- 絵本の展開を覚えて発語したり、一緒に笑ったり驚いたりするようになりました。
- 年度終わりでは長めの絵本 ( 内容によるが年中向き ) の絵本を静かに聞けるようになるほど集中力がつきました。
- 物事に対する集中力が高まり、言葉からの想像力も育まれたと感じます。
- 子ども達の言葉や発声が日を増すごとに増えていると感じました。
- 絵本の読み合いを通して、集中力の持続が感じられました。最初は短い絵本でも立ってしまったり飽きてしまったりする園児もいましたが、年度後半に差し掛かるにつれて長い絵本が聞ける様になりました。職員の話もしっかり聞くことができるようになったと思います。
- 絵本が好きになり、お気に入りの絵本を保育士と一緒に楽しもうとしたり、さまざまな興味や疑問を持ったりしながら絵本を見るようになりました。
- 集中が続くようになり、座って絵本を読んだり、じっと見たりすることができるようになりました。
- 絵本に出てくる単語を覚え、そこから発語につながっていったと感じます。
- 絵本を読むことについてイメージを膨らませて発展させて楽しむ姿が見られました。
- より絵本が好きになり、少しの時間でも絵本を読みたいと子どもたちから言ってくるようになりました。
- 毎日読み合いする時間があり、子どもたちも興味を持って見ることができていたと思います。
- 絵本をじっくりみて楽しむ姿が多くなりました。「絵本をみたい」と、手に取る姿が増えたと感じています。
- 語彙が増えたり、絵本への興味を持ったりするようになりました。
- 繰り返し読み合いすることにより絵本への関心や興味を持つことができるようになりました。絵本を楽しみにするようになりましたし、言葉の模倣も楽しむことができるようになりました。
- 絵本で描かれている絵の色づかいやお話の展開に興味関心が広がり、想像力が高まっていました。
絵本の読み合いを振り返り、良かった点や反省点、
来年度につなげたい点がございましたらご記入ください。
- 実際の絵本を読み合いしていただいて、わかりやすかったです。
- さまざまな絵本を知れて良かった。毎月の絵本の読み方も教えていただき実践できた。
- 好きな絵本が子どもたちの中でうまれていったことがよかった。
年度の後半には長い物語も楽しめるようにしていきたい。 - 季節感や発達によりあった絵本を読んでいきたいた。
- 子どもたちの反応が大きかったり、集中して絵本の世界へ入り込むことができるようになったので良かった。