2021-02-02とにかくやり始める
やる気や集中力を引き出すために大事なのは、とにかくやり始めることです。
やる始めないと脳は活性化せず、やる気が出ません。
イヤイヤながらでも始めてしまえば、次第に気分がのってきて線条体が活動を始めます。
やる気スイッチが入ればやる気の維持も楽になります。だからこそ、パターン化した動作をともなう「入りの儀式」が大切になるのです。
『やり始めたら意外と面白かった!楽しかった!』
子どものハマり回路を回すのは、こうした経験の積み重ねによるリソースなのです。
やる気や集中力を引き出すために大事なのは、とにかくやり始めることです。
やる始めないと脳は活性化せず、やる気が出ません。
イヤイヤながらでも始めてしまえば、次第に気分がのってきて線条体が活動を始めます。
やる気スイッチが入ればやる気の維持も楽になります。だからこそ、パターン化した動作をともなう「入りの儀式」が大切になるのです。
『やり始めたら意外と面白かった!楽しかった!』
子どものハマり回路を回すのは、こうした経験の積み重ねによるリソースなのです。
以前お話しましたが、脳にとって勉強は本来不自然な行為です。その為自然とやる気になることはありません。
そもそも人は、いきなり何かを始めるのが苦手です。
そこで、「入りの儀式」を利用して勉強を始めやすくしてみましょう。
入りの儀式のコツは、その動作を映像のように具体的にイメージすることです。
“立ち上がり、机に向かって進み、椅子に座って、参考書を開いて、勉強をする”
このくらい具体的な行動を動画のようにリアルにイメージすると、線条体が運動野系から刺激され、やる気が出やすくなります。
子どもが勉強に興味を持つようになったら、「入りの儀式」で習慣づけのチャンスです!
子どもは基本的に親の言うことは聞かないものですが、親の言葉には耳を貸さなくても、親の行動は無意識に真似してしまいます。
脳科学では、脳と脳が向き合った場合、互いの脳は同じような活動をしたがるということがわかっています。
このような脳のメカニズムを「ミラーニューロン」と言います。
つまり、目の前にいる人の動作や意図、感情までも映しとる脳細胞があるのです。
テレビ番組で美味しそうな料理を食べているのを見て、自分も無性に食べたくなるのは、ミラーニューロンの働きによるものです。
一緒に暮らしている親子は共に過ごす時間が長い分、ミラーニューロンの影響力も大きくなります。
子どもが足でドアを閉めるのを見て注意したら、「お母さんもいつもやっているでしょ!」と返されハッと気づく・・よくある話ですね。
子どもは反抗的でもミラーニューロンを通して親の姿を真似しているんですね。
『記憶する』とは『理解する』ことです。
ちゃんと理解して、理解した内容がストーリーのようにつながってくると、そのストーリーに感情移入して感動しやすくなります。
きちんとした理解が学問上の感動を再体験することに重なると、偏桃体が動きやすくなって海馬での記憶も定着しやすくなります。
覚えたいことを感動を込めて理解するとますます感動を呼び、記憶の効率が高まっていく。
そして、そこに『快』がともなう。
これが勉強にハマる、夢中になる本質であり、世界を理解することの快感です。
『ニューロン』という言葉を聞いたことがありますか?
脳の器官の中で記憶をつくり出すのに深くかかわっているのは『海馬』です。
この海馬では、ニューロン(脳細胞)が軸索(他のニューロンに信号を伝える繊維)を伸ばし、ループを作っています。
その一部を刺激すれば、繋がっている他のニューロンも活動します。
この時、ニューロンに繰り返し刺激を与えたり、ぐっと強い刺激を与えたり、同時に何カ所かから刺激を与えたりすると、その後はわずかな刺激でもニューロンが強く、また長期的に活動を続けるようになります。
これが『長期増強』で、記憶のおおもとだと考えられています。
・繰り返すことで記憶は定着します。
・印象付けると、忘れにくくなります。
・つながりをつけて覚えると、忘れにくくなります。
前回お話した勉強の「快」ですが、ある時突然、勉強が面白くなるもので、学習時間や努力の量に比例しないのが残念なところではあります。
頑張った分だけすぐに結果が出れば、すこぶるやる気も起きますが、実際の学習効果はしばらく効果を感じられず退屈な時間が続く為、多くの子どもは勉強や努力をやめてしまいます。
しかし、そこを乗り越えると、ある時突然「わかる!」「面白い!」「そうだったのか!」と世界が広がります!
この感覚が勉強の「快」に他なりません。
退屈を乗り越えてお子様が勉強の「快」を感じられるよう、次回は記憶が定着しやすいコツをお話します。
ハマり回路のお話をしてきましたが、最強のハマり回路がわかっても、ハマる為にはまず勉強をしないといけないという現実がありますね・・。
人間の脳は残念ながら、「気がついたら勉強をしていた」「自然に勉強をしてしまう」というようにはできていません。
脳にとって勉強は食事などの欲求による自動的な行為とは違い、不自然極まりない行為の1つなのです。
しかし、子どもの脳を「自然に勉強してしまう」方向に導くことはできます。
学び始めの頃は個々の点でしかなかった学習の記憶は、積み重なっていくと、ある時突然一気につながりを見せ始めます。
映画やドラマの伏線がだんだんつながって話が一気に広がりをみせるのと同じ感覚です。
これが「快」の感覚です!
報酬が得られたり得られなかったりする体験をすると、脳内では心を落ち着かせる働きが強化され、長期的な報酬を好むようになり、未来の快を優先できるようになります。
この時働いているのが、「ホッとする」「安心する」という癒し系の神経伝達物質のセロトニン神経系です。
セロトニン神経系がちゃんと活動していると、「待てる心」が養われ、心の落ち着きにつながります。
この「待てる心」を養う鎮静的な癒しの快感は、ハマり回路をつくる重要なキーポイントになります。
「ワクワク」「ドキドキ」という興奮系の快に、「安心できる」「ホッとする」という鎮静的な快が加われば、ハマり回路としては最強です!
前回は『褒め効果』のありがたみが無くなってしまう問題点についてお話しました。
毎回毎回褒めていると、当たり前のようになってしまい、『快』の感情も薄れてしまいますね。
ここで、次の段階に移りましょう!
最初は毎度毎度、報酬を与えたり、褒めたりします。
しかし、“いい加減”なところで報酬を間引いていきましょう。
気が向いた時に褒めるくらいの適当さが、褒め効果を高め、結局は子どものやる気も維持されます。
何事も“いい加減”が1番ということですね。
前回までお話した、褒め効果のように、模範となる教師的な存在に頼らず、試行錯誤しながら機械的に新しい環境に適応していくことを「強化学習」と言います。
この「強化学習」には、いくつかの問題点もあります。
最大の問題点は、報酬を与え続けなければならないことです。
いつも褒めてくれる親が、その日に限って褒めてくれないと、子どもの線条体は止まり、全くやる気が失せてしまいます。
もう1つの問題点は、報酬が報酬にならなということです。
つまり、小まめに褒めることは大切ですが、“勉強したら必ず褒めてもらえる”が当たり前になると、「褒め効果」のありがたみが無くなってしまうのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
次回に続きます!